2009年10月18日日曜日

フェリーの売却へ

 北九州―阪神間で長距離フェリーを運航する阪九フェリー(北九州市)は17日、大型フェリー6隻のうち2隻を収支改善のために売却することを明らかにした。昨秋来の不況や高速道路料金を大幅に割り引いた「千円高速」の影響で利用が落ち込み、10月から一部路線を減便し、船員らのリストラにも踏み切った。

 売却するのは、減便で使わなくなった大型フェリー(約1万5千トン)の2隻。すでに海外企業との価格交渉に入っている。同社幹部は「不況と高速道路料金の値下げのダブルパンチで客を奪われた。政府が高速を無料化するなら、さらに厳しくなる」と理由を説明する。

 同社によると、毎年の旅客数は四十数万人、乗船するトラックも20万台強あったが、現在はその7割程度に落ち込んでいる。売上高もピークの07年度の110億円から、今年度は70億~80億円程度に減る見通しという。

 このため、1日2便運航していた北九州・新門司―大阪・泉大津間を今月から1便に減便。9月末には約340人いた従業員のうち、船員約30人をグループ会社などに出向、派遣させ、発券や予約業務に携わっていた派遣社員やパートの計約50人との契約も打ち切った。

高速のあり方

 高速道路無料化については賛否両論ある。しかし最近の話を聞いていると「完全無料化」はすでに議論の対象外。実施するとしても渋滞の可能性のない路線のみの「部分無料化」。大都市に絡む高速道路はほとんど有料のままとも言われている。「本来償還後は無料化するはずだった」という向きもあるが、政権交代というのはある意味それまでのしがらみをリセットするチャンス。ここはむしろ日本の将来の交通をどうするのが望ましいかというところから制度を再設計すべきだろう。

 その場合、二つの新しい要素について考慮の必要がある。一つは「目的」としての環境保護。もう一つは「手段」として進んだ情報通信技術。最初に高速道路ができたころにはなかった要素である。

 高速道路無料化についての議論が収束しないのは、それがよいかどうかの判断が微妙だからだ。経済や予算だけでなく環境問題という評価軸も加わって話はさらに複雑。部分無料化にしても「渋滞の可能性のない路線」の線引きでもめるのは目に見えている。

 当然それなりのシミュレーションをするのだろうが、大量の人間が絡む社会シミュレーションの精度には限界がある。では手の打ちようがないかというとそうでもない。高速道路を無料化するかどうかにかかわらず--というか部分無料化するからこそ、ここまで普及した日本のETC(自動料金収受システム)を積極利用すべきだ。

 しかしここでETCの有用性を生かすには大きな前提がある。すべての車両がETCを付けるということだ。では、それが不可能かというとそうでもない。事実シンガポールでは日本のETCに当たる装置を完全義務化している。

 すべての自動車にETCが付いているなら、まずゲートのバーが不要になる。バーがらみの事故がなくなり、ゲートの設置も保守も極端に安くなる。バーがないからとETCを入れずに進入する不埒(ふらち)モノはカメラで記録し罰金を科す。シンガポールではそれでうまくいっている(ちなみにシステムは日本製だ)。

 高速道路の出入り口設置に広い敷地が必要なのは料金徴収ブースへの移動経路とお休み処(どころ)など係員のための設備による。それがなくなれば、全体の設置コストはさらに低くなり、出入り口の場所の自由度も大きくなる。また当然だが毎年何人か亡くなっている係員の事故もゼロになる。

 駐車場からドライブスルーでの支払いなどさまざまな車がらみのサービス支払いにもETCが使える。路上駐車の料金徴収もETCで行えればずいぶん簡単になる。

 そして、何より重要なのがETCなら非常に柔軟な料金徴収ができるということだ。時間割引、車種割引、天気割引、さらには公共性の高い車両や障碍(しょうがい)者はタダとか。どんな複雑な料金体系もコンピューターのプログラムだけ。

 特に重要なのが「混雑してくると課金」という制度設計。実はシンガポールには高速道路はない。システムもETCではなくERP(エレクトロニック・ロード・プライシング)と呼ばれている。一般道含めてのERPが渋滞解消--ひいては環境保護の決め手として、多くの国で導入が検討されているのだ。

 環境保護という時代の風により「道路利用は無料が前提」というのは今や世界的には見直すべき「前提」。高速道路の本家アウトバーンすら商用トラックのERPを義務化し、各国で一般車や一般道への展開が検討されている。むしろ日本はETCにより、よいスタートを切れる立場だ。

 環境保護を考えたとしても、人頭税的環境税より、利用した分払う方が合理性は高い。車庫にずっと入ったままの車に比べ、渋滞に突っ込み無駄な二酸化炭素を排出する車から積極的に取る。渋滞が続けばどんどん課金を高くする。最終的にそれだけのお金を払ってもいい車だけが残り、渋滞も解消する。取るだけでなく、すいているときは無料というのとセットにすれば、趣旨としては「部分無料化」とマッチする。いわば「動的無料化」。その時々の料金はカーナビや携帯で確認できるようにすればいいし、課金ポイント手前で音声案内が出るようにすればいい。

 残る問題は、ETCの設置コストとクレジットカードが必要という加入障壁だろう。しかし、コストについて言えば大量生産で機器は数千円台になる。それと一律環境税とどっちがいいだろうか。加入障壁について言えばSuicaのようにプリペイド式のICカードでも作動するようにすればいい。罰金制度と手前での音声警告を組み合わせれば、バーが無い分、残高不足も大きな問題にはならない。

 ETCはいわば車のSuica。民営化したJRを含め鉄道各社が積極的に非接触ICカード化を進めていることでもわかるように、自動化は確実に料金徴収コストを下げる。料金徴収コストが下がれば利権のパイも小さくなるし、低コストは最終的には利用者の利益になる。さらに長期的視点で言えば少子高齢化の日本にとって介護など人手がいることは人間に、機械にできることは機械にという社会の省力化・効率化は避けて通れない最重要課題である。

高速バスの炎上の原因はターボシャフトの破損

 静岡県牧之原市の東名高速で9月、独ネオプラン社製バスが走行中に炎上した事故で、バスのエンジン出力を上げる「ターボチャージャー」のシャフトが折れていたことが15日、輸入代理店「日本ネオプラン」(大阪市)の調査で分かった。シャフトが折れたことでエンジンオイルがエンジンに流入して発火した可能性が高いという。

 同社によると、シャフトが破損すると、シャフトに取りつけられたオイル漏れ防止用の部品が機能しなくなり、エンジンやマフラーにオイルが流入するという。3月に同じく牧之原市の東名高速で同社製のバスから出火した事故でもシャフトが折れており、同社はその後「シャフト破損でエンジンオイルが漏れたのが原因」としていた。

 バス火災は9月20日未明に発生。梅田発東京ディズニーランド行き夜行バスのエンジン付近から出火し車体後部が焼けた。乗客乗員計59人は無事だった。

逆送の経緯

17日午前10時35分ごろ、笛吹市一宮町国分の中央自動車道上り線で、甲斐市の自営業男性(82)の軽乗用車が逆走し、車を避けようとした長野県伊那市の自営業男性(34)の乗用車が中央分離帯のガードレールに衝突した。乗用車には4人が乗っていたが、男性と妻、小学生男児の計3人が首などに軽いけがをした。県警高速隊は道交法違反などの疑いで、軽乗用車の男性から事情を聴いている。
 同隊によると、現場は釈迦堂パーキングエリアの約3・5キロ手前。東京方面に向かって追い越し車線を走っていた乗用車の男性が逆走してきた軽乗用車に気付き、ハンドルを切ったところ、ガードレールにぶつかった。
 軽乗用車は同PAから長野方面に逆走を始め、事故後も約1キロ走り続けた。巡回中の中日本高速道路のパトロールカーが発見し、停止させた。男性に同乗者はおらず、自宅から昭和町に向かっていたと言い、「道を間違えていることに気付き、途中でUターンして走ってきた道を戻ろうと思った」などと話していて、逆走した意識はなかったという。同隊は男性が高速道路を走っていることにも気付いていなかった可能性があるとみて調べている。
 県内の高速道路で車が逆走するケースは今年に入って2件目で、事故が起きたのは初めてという。一方通行であるPAへの進入道路には逆走を防ぐため、「進入禁止」の標識を大きく目立つようにするなど対策を施しているが、「今回のように走ってきた道を戻れると運転手が思い込んでしまうと、逆走を防ぐのは難しい」(同隊)としている。
 警察庁によると、全国の高速道路で2002年から08年までの7年間に確認された車の逆走は計7146件。逆走に伴う人身事故は218件で、このうち65歳以上の高齢者の運転は88件と4割を占め、判断力の衰えや高速道路の運転に不慣れなことなどが背景にあるとみられている。

能越自動車道の氷見ICの開通

能越自動車道氷見IC(氷見市大野)―氷見北IC(同市稲積)間(2・8キロ)の開通式が17日、氷見北ICで行われた。18日午前7時から一般車両の通行ができるようになる。

 開通式には、綿貫民輔前衆院議員や高岡市の高橋正樹市長ら約200人が出席。氷見市の堂故茂市長が「市内の観光や市民生活の利便性が大きく向上する。着実に計画を進めてこられた関係者に感謝したい」とあいさつし、石井隆一知事は「能越道は北陸道や東海北陸道と連結し、環日本海の大動脈となる。今後も新政権には、必要な社会資本整備はしっかりやってもらいたいと要望していく」と述べた。その後、テープカットや地元の青年団による獅子舞の披露、パレードが行われた。

 同自動車道は砺波市と石川県輪島市を結ぶ計画の一般国道の自動車専用道路で、完成すれば総延長約100キロ。富山県側では、小矢部砺波ジャンクション―氷見IC間はすでに開通している。

 氷見IC―氷見北IC間は今年3月に開通する予定だったが、軟弱な地盤の追加補強工事などで工期がずれ込んだ。総事業費216億円で、このうち、氷見北ICのランプウエー部分の約3000万円を氷見市が負担した。氷見北ICから先の灘浦ICまでは2011年に開通予定という。

大黒SAでのイベント

首都高速は、10月16日(金)から18日(日)までの3日間、首都高速大黒パーキングエリアで『首都高 エコ・ロマンティックパーキング2009』を開催する。
 
 『首都高エコ・ロマンティックパーキング2009』は、主にクルマ・ドライブの分野のエコについてあらためて考えるとともに、“楽しく分かりやすく提案する”来場者参加型のイベント。ドライブは単に、クルマという移動手段を使って目的地にたどり着く、それだけのためのものではなく、ドライバー同士のやさしさや、同乗する大切な人への気遣いが必要。誰かとの幸せのために、エコドライブという時間をロマンティックに優しく創造する人たちが増えれば、事故やCO2も削減でき、相手を思いやる気持ちは、地球を守る気持ちにつながるという趣旨で開催する。
 
 イベントでは、燃費を計測する“燃費マネージャー”を装着し、自分のクルマでエコドライブを体験する『エコドライブ体験コーナー』や、電気自動車の三菱・i-MiEVやスバル・プラグイン ステラなど、次世代のエコカーを体験できる『エコカー展示&試乗コーナー』など、体験型イベントを実施する。
 
 また、会場となる大黒パーキングエリアには、横浜熊野神社の協力で“大黒神社”を設立するほか、期間限定で開局されるミニFM“首都高大黒FM(88.0MHz)”で、エコ・ロマンティックなエピソードと、会場で流れるロマンティックな曲を募集。
 
 このほか、期間中に会場でコカコーラ製品を購入した人の中から抽選で、新製品の“ジョージア ヨーロピアン微糖”など、素敵な商品のプレゼントも用意。首都高のエコへの取り組みを紹介するコーナーも設置するなど、内容盛りだくさんのイベントとなっている。